登記識別情報を提供できないときの本人確認
登記識別情報および登記済証の提供ができない状態で登記申請が行われた場合、申請者が本人であるかどうかを確認する必要があります。改正前に登記済証が添付できない場合、保証書を2通添付し、登記申請を行うことが出来ました。しかし改正後、保証書制度が廃止となり、かわりに事前通知制度が設けられました。
販売主など登記義務者に対し、登記の申請があった旨。この申請に枚違いないときは、その旨の申し出をするべき事が通知されます。この通知を受けた登記義務者がこれに署名もしくは押印し、申請がホンモノである旨の申し出を受けます。この事前通知は本人が確実に受け取る必要があるので、本人限定受け取り郵便扱いとなります。
所有権に関する登記の申請については、登記の一定期間前(約3ヶ月)に住所が移転したとして、登記名義人住所変更の登記がなされている場合は、変更前の住所にも当該申請があった旨の通知が行われます。この通知は事前通知とは別に転送不要郵便でなされます。 なお、所有権に関する登記の場合、不動産登記改正前の保証書制度の下では、法務局からの通知に返事をしてから受付が行われていたので、最初の申請の段階では、順位は確保されていませんでした。しかし、事前通知制度では、はじめの申請があったときに順位が確保されます。
事前通知の省略について
登記識別情報または登記済証が添付不可能の場合、事前通知を省略して登記申請を行うことも出来ます。方法は、資格者代理人による本人確認の制度です。この制度は、代理人である資格者が申請人と面談を行い、登記名義人本人であることを確認します。本人確認の手段として、使用した資料や面談の日時、本人確認を行った場所などを明らかにし、本人確認情報として法務局に提供します。提供された本人確認情報が相当であると認められた場合、事前通知は省略されます。
また、登記識別情報や登記済証が添付不可能な場合、申請情報や代理人の権限を証明する情報を記載した書面や記録について、公証人から必要な認証をいただき、さらに、登記官がその内容を相当と認めた場合についても、事前通知を省略することも可能です。
登記官による本人確認制度
登記官は「申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由」がある場合、申請人や代表者もしくは代理人に対して、出頭を求め、質問、文書の提示、その他必要な情報の提供を求め、申請人に申請の権限が認められるかどうか調査することができます。例として以下の場合、登記官による本人確認制度が行われます。
- 捜査機関その他の官庁または公署から、不正事件が発生するおそれがある旨の通知が会った場合
- 申請人となるべき本人から、本人になりすました者が申請をしている旨もしくはその恐れがある旨の申し出(不正登記防止申出)があった場合
- 同一の申請にかかる他の不正事件が発覚している場合
- 登記官が、登記識別情報の誤りを原因とする補正または取り下げ・却下が複数回されていることを知ったとき